ヨーロッパ

【大航海時代の功罪】リスボンの港で旧植民地に思いを馳せる

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地に思いを馳せる
ぴっぴ

こんにちは、世界一周経験者のぴっぴです。



本記事は2016年~2017年の世界一周における回想記です。




今回の話の舞台はポルトガル

ポルトガルの歴史を辿ると、かつては15世紀に始まる大航海時代に世界の頂点に立ち繁栄を極め、日本との繋がりもとても深い国です。 

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる
ポン

日本のカステラや金平糖はポルトガルから伝わったとか聞いたことがある~。




スペインと共に「太陽の沈まぬ国」と称された、かつての強国ポルトガル。

大航海時代に憧れとロマンを抱いていた私でしたが…

実際にポルトガルを訪れたときに思いを馳せたのは、植民地支配される側の立場であった中南米諸国のことでした。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる
ぴっぴ

世界を旅しているとそれまで断片的だった知識がふとした瞬間に繋がることがあります。

ポルトガルでの体験もそのひとつで、今回はそれを皆さんにシェアできればと思います。

ポン

ぴっぴがポルトガルで一体どんなことを感じたのか気になる!

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ポルトガルってどんな国?

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穏やかな気候、豊富な海鮮料理

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

ポルトガルは地中海気候に属し年間を通して比較的温暖な気候で、他のヨーロッパ諸国のなかでも特に過ごしやすいです。

6月~9月がベストシーズンとされ、私が訪れた9月はカラっとした爽やかな青空が印象的でした。

またポルトガルは西側を大西洋に囲まれた海洋国家であるため、新鮮で美味しい海鮮料理が豊富です。

大航海時代の覇者

ポルトガルはかつて15世紀頃に始まる大航海時代のパイオニアとして栄華を極め、世界の頂点に君臨しました。


大航海時代

ヨーロッパ人によるアフリカ・アジア・アメリカ大陸への大規模な航海が行われた時代。15世紀半ばから17世紀半ばまで続き、主にポルトガルとスペインにより行われた。

引用元:wikipedia



ポン

「大航海時代」ってなんか心躍る響き…



大航海時代にはヴァスコ・ダ・ガマなど名だたるポルトガル出身の航海士たちが大海原へと繰り出し、アフリカ、インド、ブラジル、そしてアジアへと進出していきました。

ポルトガルは、エンリケ航海王子がアフリカ西岸の探検航海を指揮したのを皮切りに,南アフリカの喜望峰到達(1488年),ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓(1498年),ブラジル発見(1500年)などを次々と成し遂げ,大航海時代の先駆者となりました。

引用元:外務省「わかる!国際情勢」




エンリケ航海王子▼▼


ヴァスコ・ダ・ガマ▼▼

ポルトガルは東南アジアや中国のマカオにも勢力を拡大し、香料貿易を独占することで巨万の富を得ました。

16世紀前半のリスボンは世界最大級の都市にまで発展したのです。

当時のポルトガルは、同じく大航海時代の覇権を握っていた強国スペインとともに「太陽の沈まぬ国」と称されました。

ぴっぴ

ポルトガル人が日本に初めてやってきたのも大航海時代です。


1543年にはポルトガル人が乗った中国船が種子島に漂着し、そこから鉄砲(火縄銃)の技術が日本に伝わりました。

その6年後には、スペイン出身のフランシスコ・ザビエルがポルトガル国王の命で鹿児島に上陸し、キリスト教布教活動をおこないました。



フランシスコ・ザビエル▼▼

ポン

ザビエルとか昔習ったなぁ~。
日本はそのころ室町時代だよね。

大航海時代ファンの私にとって憧れの地だった

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる
ぴっぴ

実はポルトガルは私にとって、世界一周でもっとも訪れたい憧れの場所でした。

ポン

え!なぜ?





高校の時から世界史の授業が大好きでしたが、とりわけ気に入っていたのが「大航海時代」でした。

ぴっぴ

未知なる新大陸をめざして命がけで大海原に繰り出した航海士たちの冒険心に夢とロマンを感じたんです。

各国の交流や交易が進むなかで近代的な世界に近づいていく過程にも強い興味を抱いていました。




そんな私は大学に進学すると、ヨーロッパ史を専攻。

ゼミの卒論では「大航海時代を生き抜いたドイツ商人の日記の邦訳」を取り上げました。


ポン

ずっと大航海時代に興味があったんだね。

ぴっぴ

そうなの。

大航海時代の舞台であるポルトガルにはずっと行ってみたかったんだよねぇ。


ついに念願の首都リスボンへ

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

そんな私の夢がとうとう叶ったのが、2016年の世界一周

約5か月半の中南米の旅を終えたあと、ヨーロッパの旅が始まりました。

ポーランドから入って徐々に西へ西へと進んでいき、ついにユーラシア大陸最西端の国ポルトガルに上陸したのです。

ポルトガル第二の都市ポルトに滞在したのち、バスで約3時間半、首都リスボンにやってきました。

リスボンはポルトガルの政治・経済・文化の中心地

西ヨーロッパ最古の都市です。

ポン

リスボン、一体どんな雰囲気なんだろう~!?

オレンジ屋根が可愛い「7つの丘の街」

リスボンの街は坂が多く「7つの丘の街」と呼ばれています。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

丘が多いリスボンの街散策にはメトロやトラムなどの乗り物を使うと便利。

リスボンの町並みに溶け込むレトロなトラムは市内観光にぴったりで、住民の足にもなっています。

私もトラムに乗ってみました。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる
ポン

可愛いトラムだね~。

ぴっぴ

リスボンは首都ですが、とっても穏やかで素朴な親しみやすさがある街なんです。



ポルトガルには、他の西ヨーロッパ諸国にはない独特な雰囲気があると思います。

趣ある街並みがとても可愛いし気候も良いし、居心地が良くて癒されました。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

ポルトガルのグルメ

ポルトガルに行って外せないのが、名物お菓子のエッグタルト(パステル・デ・ナタ)

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

カスタードクリームが優しい甘さで、ふわふわしていて美味しい。

一口サイズなので気軽に食べられるのも嬉しいです。

こちらのリスボンで買ったエッグタルトは、コーヒーとセットでたったの1ユーロでした。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

エッグタルトにシナモンをかけて食べるのがポルトガル流のよう。


ぴっぴ

それからシーフードも外せません!

ずっと肉料理ばかりで胃が疲れ気味だったんですが、ポルトガルに入った瞬間に海鮮料理が増えてテンションが爆上がりしました。




リスボンのレストランで食べたタコのサラダ

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

オリーブオイル漬けのタコはさっぱりしていてとても美味しかった。

ポン

タコを食べる国って案外少ないけど、ポルトガルもなんだね!



強い甘みが特徴のポートワイン

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

ワインはブドウを発酵させて糖分をアルコールに転換することで作られるお酒。

しかしポートワインは、まだ糖分が残っている発酵途中にブランデーを加えて発酵を停止させます。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

この製法によって独特の甘みとコクが生まれるんだそうです。

かつての栄光を象徴する建造物

リスボンの街を散策しているとが見えてきました!

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

ベレン地区にやってきました。

ベレン地区は大航海時代に新大陸に向け多くの船が出航した歴史ある場所です。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

突き抜ける青空と青い海。

ぴっぴ

この開放感はリスボンのイメージそのもので、興奮が高まります。





大航海時代に世界の頂点に立ったポルトガル。

その頃の繁栄の証として、莫大な富により築かれた美しい歴史的建造物をいくつも見ることができます。

テージョ川に面して建つ大航海時代の象徴「ベレンの塔」

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

16世紀にマヌエル1世によりヴァスコ・ダ・ガマの世界一周の偉業を記念して作られた要塞で、世界遺産に登録されています。


ぴっぴ

ベレンはヴァスコ・ダ・ガマがインド航路発見に出発した場所なんです。

ここから探検家たちが大海原へと繰り出していったのだと思うとロマンを感じます。 





ベレンの塔から歩いてすぐの距離にある「発見のモニュメント」は、エンリケ航海王子の没後500年を記念して建てられた記念碑です。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

記念碑には大航海時代を支えた偉人たち33名の像が彫られています。

エンリケ航海王子を先頭に、ヴァスコ・ダ・ガマ、マゼラン、バルトロメウ・ディアスフランシスコ・ザビエルなど。

彼らたちの活躍により、一気に世界の近代化が進んだのです。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

「発見のモニュメント」前の広場には、モザイクの世界地図が描かれています。

ぴっぴ

実はこの地図には、ポルトガルの到着年が記されているんです。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

ヴァスコ・ダ・ガマによるインド航路開拓は1498年。

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ブラジルを発見したのは1500年。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

マカオに到達したのは1514年。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

そして…ありました!我が国日本!!

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる
ポン

1541年って書いてあるね。

ぴっぴ

1541年はポルトガル人が種子島に来航する2年前なんだけど、ポルトガル船が豊後に漂着した年なんだ。

つまり日本は1541年にポルトガルにより発見されたとされてるんだね!





この世界地図を見ながら故郷日本に思いを馳せました。

ほかのアジア諸国が次々と植民地化されていくなかで、独立を保ち続けた小さな島国。

その地理的好条件や、キリスト教信仰の禁止や鎖国政策などの賢明な政治的判断、圧倒的な軍事力によって植民地を免れることができたのです。



ぴっぴ

それどころか日本は、外国の進んだ文化を取り入れながら独自の文化を発展させ続けました。

ポン

今の日本があるのって本当にすごいことなんだね…!




こちらはベレンの塔とともに世界遺産に登録されている「ジェロニモス修道院」

ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開拓やエンリケ航海王子の偉業を称え、1502年にマヌエル1世が着工したものです。

ジェロニモス修道院に付属するサンタ・マリア教会は石造りで、天井が高く装飾がとても美しいです。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

ここにはヴァスコ・ダ・ガマの棺が安置されています。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる
ポン

とっても豪華で美しいね。

まさに当時のポルトガルの栄華の象徴だなぁ…

大航海時代の功罪とは?

ポルトガルやスペインは新大陸の富を搾取しあらゆる文化を破壊した

ぴっぴ

私がロマンと憧れを抱いた大航海時代の舞台に辿り着いたはずなのに、私の心はなぜかモヤモヤしていました。

ポン

え!せっかく来れたのになぜ?




それはヨーロッパを旅する前に侵略された側である中南米の国々を5か月半旅して、その植民地支配の名残を目の当たりにし続けてきたからでした。

スペインやポルトガルからする「新大陸」には、古来からそこで暮らしていた先住民たちの固有の言語・宗教・文化があったのです。

しかしコロンブスによる新大陸の発見以降、先住民がそれまで築き上げていたありとあらゆるものが、ヨーロッパ列強により破壊されてしまいました。

それも大量の先住民虐殺過酷な奴隷制度など、とてもとても酷いやり方で。


ポン

そうか…確かに「新大陸発見」っていうのはあくまでヨーロッパ側からの見方だもんね。

征服された側からすると、たまったもんじゃないよね。





メキシコ、キューバ、グアテマラ、コロンビア、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、パラグアイ…

私が旅したこれらの国々すべてでスペイン語が話され、至る所でスペイン支配の名残であるコロニアル建築を目にしました。

街並みはとてもカラフルで美しかったけど、スペインによる侵略の影響はこんなにも大きいのかと心底驚きました。

植民地化とキリスト教化は同時に進められ、アメリカ先住民の土着の宗教の多くがキリスト教に塗り替えられました。

スペインに富を搾取され荒廃した大地が置き去りにされてしまったボリビアのポトシのことも、強く印象に残っています。



翻弄され続けた中南米の国々には今もなお、奴隷制度の名残や貧困格差など深い爪痕が残っているのです。


ぴっぴ

旅するなかでラテンアメリカ側からの視点が加わったことで、大航海時代に対する捉え方も大きく変わりました。

ポン

そうか。
視点が変わったことそれまで気付かなかったものが見えてきたんだね!

ぴっぴ

うん、この気付きは世界を旅しないと得られなかったと思う。

歴史の「横のつながり」を肌で感じられた瞬間は、本当に旅して良かったと実感したよ。

ポルトガル・スペインの栄枯盛衰から学べる教訓

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる

ポルトガルを訪れて、その美しい景観や素朴で親しみやすい雰囲気に魅了され、とっても大好きな国になりました。

しかし、かつて大航海時代に世界の頂点にまでのぼりつめた強国ポルトガルの面影はもうありません。

ほかの西ヨーロッパ諸国と比べても決して経済的に豊かとは言えない印象です。

【大航海時代の功罪】ポルトガル・リスボンで旧植民地諸国に思いを馳せる ポルト

一時はスペインと共に「太陽の沈まぬ国」と称されたポルトガルが、なぜその後一気に衰退してしまったのでしょうか。


ぴっぴ

ポルトガルは広大な植民地を得て肥大化し、自らの国力をはるかに超えた拡大に走り過ぎてしまったんです。

その結果国内の仕事が追いつかなくなり、結果的に国力全体が弱まってしまったと言われています。

ポン

富を求めすぎるがあまり無理をしてしまったのかもね…。

いつの時代も起こりうることだから、教訓にしていきたいね。

まとめ

夢とロマンに満ちたダイナミックで華やかな大航海時代の功罪

その時代の舞台となった場所に実際に足を運んだからこそ得られた新しい知見がたくさんありました。

歴史を学ぶとき立ち位置を変えてみると、平面に見えたものが立体に見えてくるので面白いです。


ぴっぴ

視点をかえることで、断片的な歴史の知識がふとした瞬間に繋がりハッとさせられることも多かったです。

ポン

まさに旅の醍醐味だね。

ボクも色んな視点から歴史を学んでみようと思うよ♪



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