こんにちは。
Jolly Phonics(ジョリーフォニックス)のトレーニング受講者のぴっぴです。
前回は「フォニックスとはなんぞや?」というお話をしました。
(まだの方はこちら↓↓)
フォニックスはアルファベットのつづりと発音の規則性なんだよね?
そうそう!よく覚えてるね。
今回は、そのフォニックス界で有名なJolly Phonicsについて紹介するよ。
フォニックスの学習メソッドの1つとして世界中で広がりを見せる、Jolly Learning(ジョリーラーニング)社の「Jolly Phonics (ジョリーフォニックス)」。
その児童向け英語学習教材は、現在世界100ヵ国以上で採用されています。
Jolly Phonicsの最大の特徴は、多感覚を重視していることです。
子どもたちは目や耳や体を使って楽しく英語を学びながら、読み書きの力やネイティブのような綺麗な発音を身につけていきます。
先日バンコクで開催されたJolly Phonicsのワークショップに参加して、児童向けのフォニックス指導トレーニングを受けてきました。
そこで学んだこともふまえて、学習方法をいろんな動画を交えてシェアします!
(ワークショップの雰囲気・内容・感想についてはこちら▼▼)
この記事は次のような方にとくにおすすめです。
- お子さまをバイリンガルにしたいパパ・ママ
- フォニックスについて関心がある英語学習者
- 「Jolly Phonicsの名前は聞いたことあるけど詳しく知らない」という方
- Jolly Phonicsとはなにか
- Jolly Phonicsの特徴
- Jolly Phonicsの具体的な学習プログラム
- Jolly Phonicsの教材
それではさっそくみていきましょう!
ジョリーフォニックス(Jolly Phonics)とは?
Jolly Phonicsはイギリス生まれのフォニックス学習プログラム
Jolly Phonicsは、Jolly Learning社(ジョリーラーニング社)によるフォニックス学習プログラムです。
Jolly Learning社はイギリスの出版社で、1987年に設立されました。
設立5年後にJolly Phonicsの教材販売が開始され、いまや世界100カ国以上で児童向けの英語学習に用いられています。
Jolly Phonicsのメソッドは世界中で支持されているんだね。
こちらはナイジェリアのJolly Phonicsのトレーニング風景です。
こちらはインド。
Jolly Phonicsは子どもから大人まで幅広く楽しく学習でき、英語の読み書きを確実に身につけることができます。
(参照元:Jolly Phonics公式HP「About us」)
Jolly Phonicsの特徴
Jolly Phonicsには次のような特徴があります。
- シンセティック・フォニックスを採用
- 誰でも教えることができ、誰でも学ぶことができる
- 多感覚を重視した子どもの視点に立った教材
- LD(学習障害)をもつ子どもにも高い学習効果がある
ぴっぴ
Jolly Phonicsではシンセティック・フォニックスを用いています。
シンセティック・フォニックスは世界各国の小学校で導入が進んでいる21世紀の新しいフォニックスなんです。
「シンセティック・フォニックス」ではよく使われる音(文字)から学び、学んだ順に組み合わせて単語として読んでいきます。
たとえば/a/ はa、/s/ はs、/t/ はtというように英語の「音」と「つづり」の関係を指導し、それをすぐにくっつけて「sat」と読めるようにしていきます。
Jolly Phonicsでは1つの文字に対して「絵を見る」「話を聞く」「声に出す」「動作をする」「書く」「触れる」「想像する」などの多感覚を使って定着させます。
Jolly Phonicsでは、歌やアクションがたくさん盛り込まれた教材を使って学んでいきます。
目や耳や体を使って学べるのは、ただの暗記よりもずっと楽しそうだね。
Jolly Phonicsの教材はどんなタイプの人でも使いやすく、記憶にも定着しやすいという特徴があります。
子供たちの感覚をフル活用して学ぶことができ、特別支援が必要な子どもたちの読む力も伸びたというデータもでています。
(参考:論文『多感覚を用いたシンセティック・フォニックスと特別支援教育』)
Jolly Phonicsの学習ステージは2つ
Jolly Phonicsの学習プログラムには2つのステージがあります。
- Jolly Phonics (ジョリーフォニックス)
➡読み書きの基礎となる力をつける - Jolly Grammer(ジョリーグラマー)
➡よりよいコミュニケーションのための幅広いスキルを習得
Jolly Phonicsのステージでは英語の「文字と音」の関係を多感覚を使いながら学び、この段階で読み書きの力も身につけます。
Jolly Grammerのステージでは品詞・綴り・句読点などを含めた英語の構造について学び、正確で適切な表現方法を身につけていきます。
それでステージ①のJolly Phonicsから詳しくみていきましょう。
Jolly Phonicsで習得する5つのスキル
Jolly Phonicsでは、次の5つのスキルを習得します。
- 文字の音を覚える
- 文字の形を覚える
- 単語の読み方・書き方を覚える(blending)
- 聞いた単語の書き方を知る(segmenting)
- ひっかけ文字を覚える(tricky words)
1、文字の音を覚える
42の基本音
まずはじめに、よく使う42個の基本の音を覚えます。
これはアルファベット順ではなく、英語の中で使われる頻度の高い文字から学習していきます。
ぴっぴ
42音をこちらの動画で聞いてみてください。
子どもたちがその文字を覚えやすいように、オリジナルの歌や体を使った動きが設定されています。
こちらの動画でその歌やアクションをご覧ください。
テンポが良い可愛い歌だから、子どもたちも楽しく学習できそうだね。
42の音は7つのグループに分けられています。
「ee」や「or」のように2文字で1音になるものは、digraph (ダイグラフ) と呼ばれています。
ck, ai, oa, ie, ee
or, ng, oo, oo, ch
sh, th, th, qu, ou,
oi, ue, er, ar
あれ、なんで「oo」と「th」は同じものが2つもあるの?
実はこのふたつは、同じ文字なのに音が違うんだ。
- 【oo】
book の oo (➡短いoo)
moon の oo (➡長いoo) - 【th】
this の th(➡有声音)
three の th (➡無声音)
音が2種類あるから、文字も2種類あるんだね。
2、文字の形を覚える
次に、文字の形を学んでいきます。
こちらの動画は“Learning Letter Firmation(文字の形を学ぼう)”のレッスン風景です。
「鉛筆の持ち方」や「文字の書き方」も、ここで一緒に学びます。
英文では大文字よりも小文字の数が多いので、子供を混乱させないためにJolly Phonicsでは小文字から学びます。
3、単語の読み方・書き方を覚える(ブレンディング)
そこから、学んだ42音をブレンディングしていきます。
ブレンディングってなに?
42個の音を組み合わせて単語を読むことだよ。
Jolly Phonicsでは、1つの音を学ぶごとにすぐに組み合わせて単語にしていきます。
たとえばpigという単語は、それまで学んだ個別の音【p(プ)i(イ)g(グ)】をpig(ピグ)と結合していくのです。
イメージが湧きづらいと思うので、こちらの「ブレンディングの指導法」についての動画をご覧ください。
4、聞いた単語の書き方を知る(セグメンティング)
次に、聞いた音を文字にする練習をします。
この方法はセグメンティングと呼ばれ、ブレンディングと逆のことをするスキルになります。
言ってみれば「ディクテーション」です。
イメージが湧かないという方は、こちらの動画をご覧ください。
Jolly Phonicsでは、この動画のようなゲームで楽しくセグメンティングを学ぶことができます。
5、ひっかけ文字を覚える(tricky words)
42音をすべて学んだら、フォニックスのルールにあてはめられないTricky Words(ひっかけ単語)を覚えていきます。
Tricky Wordsってなに?
フォニックスは完璧なルールではなく、例外が多く存在します。
フォニックスをすべて学んでも、単語全体の25%はそのルールに当てはまらないんです。
ルールに当てはまらない不規則な単語は“Tricky Words” (ひっかけ単語) と呼ばれ、ひとつずつ覚えていく必要があります。
たとえば「was」をフォニックス読みすると「ワス」ですが、実際にはウォズと読みます。
「to」はフォニックス読みだと「ト」ですが、実際には「トゥ」と読みます。
こちらの動画はTricky Words72個を集めたものです。
Tricky Wordsって、「you」、「she」、「me」、「the」とか、よく使う言葉が多いね。
普段頻出する単語にかなり多いから、ちょっと厄介だよね…
以上がJolly Phonicsで習得する5つのスキルです。
基本的には1~4のスキルを同時進行でマスターしていき、途中で5が導入されるそうです。
Jolly Grammar (ジョリーグラマー)のステージ
Jolly Phonicsがしっかり身についたら、次はJolly Grammar (ジョリーグラマー)のステージに進みます。
このステージではJolly Phonicsの知識を定着させながら、基本的な文法を身につけていきます。
Jolly Grammrでは子どもたちの「読む力」「書く力」を育てることを大事にしているんです。
Jolly Phonicsと同様、Jolly Grammarも能動的で多感覚を重視したプログラムになっています。
こちらは実際のJolly Grammarの様子。
文法って退屈なイメージだけど、みんな体を動かしたり楽しそうだね♪
Jolly Grammrは大きく「文法」と「綴り」、2つの分野に分かれます。
1、文法
「文法」では、次のようなことを学びます。
- 大文字
- アルファベット、辞書・類義語辞典
- 名詞
- 動詞
- その他の品詞
- 複数形
- 文と補助符号
- 校正
- 同音異義語と同形異義語
(参照元:Jolly Phonics AWS)
品詞、文章の組み立て方、反意語と同義語、句読点、辞書の使い方など、幅広く学んでいきます。
多感覚を重視した内容になっており、たとえば「動詞は赤」「名詞は黒」といった色分けや、動作を使って楽しく定着させていくことができます。
動詞の「現在・過去・未来形」については最初のうちに教わるそうです。
2、綴り
「綴り」の分野では次のようなことを学びます。
- 同音異綴り
- 末尾がyで終わる単語
- 子音の重ね合わせ
- 黙字
- ソフトcとソフトg
- その他の綴り
- シュワー
- 接頭辞・接尾辞
(参照元:Jolly Phonics AWS)
さまざまな種類の綴りの概念やパターンを学びます。
たとえば「黙字」では、「lamb」のbや「wrist」のwは声に出さない、といったルールを学びます。
そうやって「綴り」のルールの枠組みを理解していくことにつなげていきます。
Jolly Grammarがマスターできれば、「書く力」だけでなく「話す力」も身についていきます。
「書く力」や「話す力」があれば、自分を表現することもできるようになるね♪
Jolly Phonicsの教材
実際にJolly Phonicsではどんな教材が使われてるの?
いろんな種類の教材があるんだけど、家庭で使える教材を一部紹介するね。
Jolly Phonicsの教材の多くはイギリス英語とアメリカ英語の両方が出ています。
「in print letters」と表記されている教材がアメリカ英語(ブロック体)です。
日本で指導する場合は、東京書籍から出版されている「はじめてのジョリーフォニックス」シリーズが日本人向けなので、使いやすいと評判です。
スチューデントブック(日本語)
こちらは一番ベーシックなワークブックです。
英語の基本となる全42音とつづりを効果的に習得できます。
4歳以上の児童が対象です。
ティーチャーズブック(日本語)
こちらはスチューデントブックの解説書で、「大人用の指導書」になります。
付録としてCD2枚、ラッシュカード、絵本も付いています。
エクストラ
エクストラ(パーソナル)は“セット教材”で、イギリス英語版のみになります。
トーキングペンというペンを使って文字をなぞるとネイティブの声の音が出る本が54冊入っています。
「自分は英語が話せない」という親御さんでも安心して使えますね。
フィンガーフォニックス
基本42音の「文字の音」を学ぶための本です。
大きな文字がエンボス加工で浮きぼりになっているので、文字の形を触感で学ぶことができます。
はじめてのレターサウンド
「文字」とその「音を含む単語と絵」の厚紙本です。
「文字の音」の導入時に使え、2歳以上の児童が対象です。
ポスター
フォニックスの基本42音の大きなポスターです。
アクションのイラストもついているので、壁にはっておけばいつでも復習できますね。
まとめ
「Jolly Phonics」は、多感覚を刺激しながら楽しく学べるフォニックスの学習メソッドのひとつです。
子どもたちの視点にたった教材で、それぞれの強みを引き出しながら英語を定着させることができます。
どんな人でも使いやすい教材だから、世界中で支持されているんだね。
お子さまの英語教育はもちろんのこと、個人的にはJolly Phonicsの「フォニックスソング」など大人が学んでも効果的なものもたくさんあると感じています。
もし気になった方は、お子さまの英語学習やご自身の勉強に、Jolly Phonicsのメソッドを取り入れてみてはいかがでしょうか。
私もJolly Phonicsの学習法を参考にして英語力をアップしていきたいと思います!