こんにちは、バンコク在住のぴっぴです。
今回ご紹介するのは全世界のチョコレート好き必見、バンコクのチョコレート専門店【Kad Kokoa(ガートココア)】。
タイ産オーガニックのカカオ豆を使ったチョコレートが味わえる珍しいカフェで、チョコを製造するための小さなファクトリーも併設しています。
タイ産のカカオ豆なんてあるんだ!!
こだわり抜かれたチョコレートの価格設定はやや高めですが、それ以上のリッチな味わい。
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多くの人を魅了するチョコレートは世界最高峰の品評会で賞を受賞し、現在はバンコクの有名トップホテルでも採用されています。
実際に食べてみると濃厚な深みがあって、あまりにも美味しくて驚きました。
こちらで日本人向けワークショップが開催されるということで、先日参加してきました。
そこで見聞きした貴重な話や体験も一緒にシェアさせてもらいます。
店を経営するオーナー夫婦は、実は元弁護士。
なぜ2人は華々しいキャリアを手放し、チョコレートの世界へ足を踏み入れることになったのか。
彼らの見据えるビジョンとは一体なにか?
オーナーさんは元弁護士?
気になる~!!
そんな興味深いストーリーも合わせてまるごと『Kad Kokoa』の魅力を紹介します。
チョコレートだけでなく、お2人の生き方にも魅了されること間違いなしです。
- 『Kad Kokoa』ってどんな店?
- お店の雰囲気
- 元弁護士オーナー夫婦のストーリー
- チョコ作りワークショップの様子と感想
『Kad Kokoa』とは?
バンコク初!フルーツとしてのカカオ豆を味わう”Bean to Bar”ショップ
「Kad Kokoa」は、バンコク初の「Bean to Bar(ビーントゥーバー)」専門店です。
Bean to Bar(ビーントゥーバー)ってなに?
Bean to Barとは、カカオ豆(Bean)から板チョコ(Bar)ができるまでの全工程を自社で一貫して行う製造スタイルのこと。
「Kad Kokoa」では、タイ国内の産地が異なる4つのオーガニック農家から直接カカオ豆を仕入れてチョコレートを作っています。
さらに、シングルオリジン(Single Origin)という特定の地域や農園のカカオ豆のみを使ったチョコレートにこだわっています。
- それぞれの産地・農園のカカオ豆の個性を楽しめる
- 素材のカカオ豆がはっきりしているため、コーヒーやワインなどのペアリングを楽しめる
カカオ豆は産地によって風味がまったく異なる奥の深い果実なんだそうです。
シングルオリジン・チョコレートなら、産地や農家ごとのカカオ豆の個性を楽しめるんだね♪
材料はなんと、タイ産カカオ豆とオーガニックのきび砂糖だけ。
添加物は一切入っておらず、高い品質が保証されています。
2018年に開催された世界最高峰のチョコレートの品評会「インターナショナル・チョコレート・アワード」では、ブロンズ賞を受賞しました。
すごい!
タイ産カカオが世界で高く評価されたんだ!
Kad Kokoaのチョコレートは、タイの有名トップホテルでも採用されています。
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場所・行き方
「Kad Kokoa」は、ナラティワート通りソイ17の閑静な住宅街の中にあります。
最寄りはBTSチョンノンシー駅。
駅から徒歩だと15~20分ほどかかるので、タクシーなどを使うといいでしょう。
BTSからBRTに乗り換え、BRT「Technic Krungthep」駅で下車するのもひとつです。
店内・カフェの様子
店内に入ってみましょう。
居心地の良いカウンター席や丸テーブル。
すごく広いというわけではないですが、全体的に窓が大きく解放感があってくつろげます。
グリーンもいっぱいで癒されます♪
こちらの建物は、なんとチェンマイの農家の家をそのまま持ってきたんだそう。
わざわざチェンマイから!?
こだわっていて素敵だねぇ。
外観・内観ともに温もりが感じられます。
テラス席もあります。
テーブルにあったチョコレートキャンドルからは、ふんわり甘いチョコの香りが…♡
実際にチョコレートの製造を行う小さなファクトリーも併設されています。
スタッフの皆さんは、にこやかでとても感じが良いです。
魅惑のチョコスイーツ&ドリンク
店内ではこだわりのチョコレートスイーツやドリンクを楽しむことができます。
メニューはまさにチョコレートづくし。
見てください、この美しいチョコスイーツを…。
Sneak peek of the new Kad Kokoa Ba Ba au Rhum #rum #baba #chocolate #dessert #beantobar #cafe #chocolatebar #chocolatecafe #chocolatelover pic.twitter.com/dKUu3RR9vO
— KadKoKoa.co (@kadkokoa) May 7, 2019
One of the most beautiful specialty #chocolate #drink #cacao pic.twitter.com/bssxxqSBdO
— KadKoKoa.co (@kadkokoa) February 13, 2019
Salted Caramel Tamarind @kadkokoa_chocolate #saturday #saturdaytreat #kadkokoa #chocolate #instagood #cafebkk #cafe #saturdaymood #weekend #foodpics #teatime #eatoutbkk #cake #bangkok #曼谷 #美食 #อร่อย #バンコク #バンコクライフ #バンコク暮らし https://t.co/r1ZoStBn7t pic.twitter.com/jLMBBdhdig
— Weekender@BK (@WeekenderBK_en) January 26, 2019
Late to the @kadkokoa ice cream sandwich party but damn – so good! pic.twitter.com/tKGE7puNHP
— Chris Schalkx (@CHRSSCHLKX) June 7, 2020
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とっても綺麗だし美味しそう…♡
メニューにはテイクアウト可能なものも多いです。
ギフトコーナーでお土産選びも楽しい
ギフトコーナーには、Kad Kokoaオリジナルのいろんな種類のチョコレートが販売されていてます。
4つの産地のチョコ詰め合わせボックスが可愛い。
私は気になっていたカカオニブ250g(450バーツ)を購入しました。
カカオニブは栄養価が高く、最近スーパーフードとして注目されています。
カカオ豆の実をローストし、粗く砕いたもの。
タンパク質、食物繊維、ミネラル、ポリフェノールなどを豊富に含む。
食べるとほろ苦い味がする。
パッケージはタイらしさを感じられてお洒落で可愛く、一時帰国のお土産としてもぴったりですね。
そのほか、環境に配慮した作られたチェンマイ発の茶葉「Monsoon Tea」も販売されています。
なぜ弁護士夫婦がチョコレートの世界に足を踏み入れたのか
オーナーのパニティさん(ご主人)とヌッタヤーさん(奥様)夫妻です。
Photo by Harmony Marsh at The Origin Coffee Roaster @origincoffee @britishlibrary pic.twitter.com/KxIZsmVpTc
— KadKoKoa.co (@kadkokoa) June 15, 2019
夫婦はもともと弁護士で、世間的に誰がみても社会的な成功をおさめた2人でした。
そんな2人が一体なぜチョコレートの世界へ?
その理由を探るべく、お2人のインタビュー動画をもとにストーリーを紹介させてもらいます。
動画は英語なんですが、私の和訳がおかしかったらごめんなさい。
成功の裏で夫婦はモヤモヤを抱えていた
弁護士として成功していた2人でしたが、ある時期からモヤモヤを抱えていたと言います。
Two to three years ago, we had a mid-life crisis. When we looked back at what we were doing, we were just lawyers and just suing people. Nothing that was pursuing our real passion or something that will give us long-term happiness. That made us feel like we needed something back to basics, more down-to-earth.
引用元: Youtubeより
(和訳)
2~3年前、ミッドライフクライシスに陥りました。
自分たちがしていたことを振り返ったとき、ただ弁護士として人々を訴えていました。
そこに真の情熱はなく、長期的な幸せを与えてくれるものでもありませんでした。
だからこそ基本に立ち返って、もっと地に足の着いた何かが必要だと感じたのです。
チェンマイの大地にひとめぼれ
そんな2人がバイクで各地を旅をするなかで行き着いたのが、チェンマイの美しい大地にある農場でした。
チェンマイ農家の人は、2人に「カカオを育ててみないか」と提案したそう。
そして夫婦はチェンマイの丘陵地を購入しました。
実はかつてタイでは、多国籍企業向けにカカオを生産していました。
しかしうまく軌道にのらず、そのビジネスはストップしてしまったのです。
We decided that we wanted to bring back cacao, a crop that’s long lost in Thailand. I thought we could research on how to make chocolate from bean to bar.
引用元: Youtubeより
(和訳)
タイで長い間失われていたカカオを復活させたかったんです。
”Bean to Bar”チョコレートの研究をしようと思いました。
夫婦は「タイでシングルオリジンのチョコレートを作るため」に、ハワイとサンフランシスコに渡っておよそ2年間みっちり修行をしました。
そこで学んだ「カカオの生産」「カカオ豆の等級」「チョコレートの製造」などあらゆる知識を蓄えて帰国。
そして遂に、バンコク初の“Bean to Bar”ショップをオープンしたのです。
目指すのはサステナブルな視点での社会貢献
夫婦が始めた新たなビジネスの裏には明確なビジョンがありました。
We wanted to revive the cacao industry in Thailand in a way that is more sustainable. We wanted to promote Thai cacao as a specialty crop, or specialty beans.
引用元: Youtubeより
(和訳)
タイのカカオ産業をより持続可能な形で復活させたかったんです。
タイのカカオを特産品としてもっと普及させたいと思いました。
夫婦の新しいビジネスは、故プミポン国王が推進していた農業労働者支援プロジェクトからもインスピレーションを受けたそうです。
タイ産カカオのチョコレートを世界に広めることで生産者をサポートし、自然も守りたい。
そんなサステナブルな社会貢献を見据えて活動をされているんですね。
2人は華々しいキャリアを手放したかわりに人生の新しいビジョン、そして本当の意味での幸せを見つけたと話します。
Deep inside, this is my passion. We want the business, this social enterprise to be able to scale up. It’s a vision of what we would like to pursue and gives us happiness.
引用元:Youtubeより
心から、私たちのパッションです。
社会的企業(社会的な問題解決を目指す企業)としてもっと規模を拡大していきたい。
これは追求し続けたいビジョンであり、私たちを幸せにしてくれるものでもあります。
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The luxury that we have now is time and flexibility.
引用元:Youtubeより
We gave up the money that we used to earn, and now we’ve gained happiness.
今の贅沢は時間とフレキシビリティです。
これまでの稼ぎを手放し、今は幸せを手に入れました。
タイの新たなチョコレート文化を築きながら、そこに新たな幸せも見出されたんですね。
とっても素敵な生き方だね。
ワークショップの様子・感想
そんなオーナー夫婦が経営するKad Kokoaで初めて開催された「日本人向けワークショップ」。
- セッション1▶
Kad Kokoaのファクトリーツアー。「カカオ豆からチョコレートになるまでの工程」を学ぶ。チョコレートのテイスティングあり。 - セッション2▶チョコレート作りを実際に体験。
★オーナー夫婦から直接話を聞くことができ、日本語通訳の方もいらっしゃいました。
私はセッション1・2両方参加してきました。
最初に案内してもらったのが、お店の敷地内に育つカカオの木。
緑色の可愛いカカオの実(カカオポッド)がなっています。
なんと!
バンコクのど真ん中でもカカオって育つんだ。
チョコレート製造の工程を学ぶ
セッション1では、チョコレートの製造工程について学びました。
こちらは成熟したカカオポッド。
すごい!
ラグビーボールみたいな形なんだね。
カカオポッドを半分に割ると、白い果肉がついた種子(カカオ豆)が出てきます。
種子のまわりの白い果肉を口に入れてみると、ねっとりとしていてマンゴスチンのようなフルーティーな味わいです。
こうしてみると、カカオってフルーツなんですね。
種子が綺麗に取れました。
10個分のカカオポッドから取り出したカカオ豆です。
カカオ豆を発酵・乾燥させると、このように茶色くなります。
良質なカカオ豆は、表面もスムーズでなめらか。
併設されたファクトリーにも案内してもらい、カカオ豆の製造工程を見学しました。
乾燥したカカオ豆はその後、さらに複数のプロセスを経てチョコレートに変貌をとげていきます。
チョコレートの製造工程について分かりやすいサイトがあったので、図をお借りします。
4産地ごとのチョコレートをテイスティング
おまちかね、チョコレートのテイスティングです。
Kad Kokoaで取り扱っているカカオ豆の産地は、チェンマイ、チャンタブリー、プラチュアップキリカン、チュンポンの4ヶ所。
各産地のチョコレートを1種類ずつテイスティングして、それぞれのフレーバーを味わいます。
カラーチャートを見ながら、どのフレーバーに当てはまるのかを予想してシートに書き込んでいきます。
フレーバーにこんなたくさん種類があるなんて驚きました。
Cream、Vanilla、Orange、Honey、Cheese…
Nutmeg、Earthy、Smoky、Woody…
味覚に鈍感な私でも、なんとなく「これはフルーティーだ!」など違いを感じることができました。
フレーバーの感じ方は人それぞれで正解はないとのこと。
ただKad Kokoa製の70%ダークチョコレートについては、おおまかに次のような特徴があるそうです。
- チェンマイ▶蜂蜜、花
- チャンタブリー▶南国のフルーツ、レーズン、サワーチェリー
- プラチュアップキリカン▶ココナッツ、パイナップル
- チュンポン▶もっともチョコレートの風味が強い
カカオ豆って本当に奥深いんだね。
星付きレストランでの勤務経験があるシェフが作った新作デザートもいただきました。
カカオの旨味がぎっしり詰まった濃厚で深い味わいのブラウニーなど、とろけるほど美味しい。
普段口にするのは砂糖たっぷり甘々のミルクチョコレートばかりの私でしたが、新しい世界に出会った感覚でした。
あぁもう幸せ~!!!
ドリンクは、カカオの殻から抽出したというアイスティー。
カカオの爽やかな香りで後味もスッキリ、とても飲みやすくて美味しかったです。
無駄がないんだね。
実際のチョコレート作りを体験
セッション2では、実際にチョコレート作りを体験させてもらいます。
スイスで製菓を学んだという若いパティシエさんが教えてくれます。
なめらかな口どけに仕上げるための「テンパリング」という工程を見せてもらいました。
チョコレートに含まれるカカオバターの結晶の状態を安定させるための温度調整。
光沢が美しく滑らかな口当たりの美味しいチョコレートを作るために欠かせない作業。
正しくテンパリングができないと白く分離したカカオバターが表面にでてきて、見た目だけでなく風味も口どけも悪くなってしまうそう。
私もテンパリングを実際に体験させてもらいましたが、すごく難しい!
私の不器用さが露呈しました(笑)。
テンパリングできたチョコレートを型に流し込みます。
各自、自由にトッピング。
しばらく冷やして型から外すと、綺麗に固まっています。
そして、実際にKad Kokoaの商品に使われている包装紙でラッピングをしていきます。
やったー完成~!!!
世界にひとつのオリジナルチョコレートができました♡
Kad Kokoaのチョコレートには、細部にこだわりがあります。
チョコレートには可愛いロゴマーク。
またkad kokoaのパッケージは、カカオ豆の各産地の伝統的な織物のデザインをアレンジして作っています。
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それぞれの伝統文化への敬意を表しているそうです。
2019年には「グッドデザイン賞」も受賞しています。
「シングルオリジン・チョコレートのユニークな味」と「タイ文化の素晴らしさ」を世界に発信していきたいという思いが込められているのです。
Tnop Design @tnopdesign – @kadkokoa_chocolate 2019 packaging new color edition! Coming to Kad Kokoa atelier soon. Printer: Songpol Press #dedicatedlythai #kadkokoa #singleoriginchocolate #thaichocolate #redefiningthai #pixel #pixelart #packagingdesign #f… https://t.co/ziFhffKcaX pic.twitter.com/RWgI8jLdcC
— World Brand Design Society (@worldbrandesign) February 18, 2019
今回ワークショップに参加させていただいて、知らないことばかりで本当に貴重な経験になりました。
生産者の方から直接お話が聞けるのもとても良かったです。
彼らの情熱とビジョンに感銘を受けて、純粋に応援したいと思いました。
今後もどんなふうにタイの新しいチョコレート文化が築かれていくのか楽しみだね!
ちなみに私が購入したKad Kokoaのカカオニブ。
最近ハマっているオートミールにかけて食べています。
ほろ苦くて甘いフルーツとの相性もばっちり、とても美味しいです。
さっそくカカオ生活楽しんでるね♪
まとめ
元弁護士夫婦が始めたタイ産カカオのチョコレートビジネスは、サステナブルな社会貢献を見据えたビジョンのもとにありました。
タイの新しいチョコレート文化の構築はまだ始まったばかり。
今後の活躍にも期待したいです♡
ぜひこだわりのチョコレートを堪能しに、本店へ足を運んでみてくださいね。
ボクも食べに行く~♪
2021年5月 追記
なんと日本でもkad kokoaの公式オンラインストアでタイ産チョコレートを購入できるようになりました!
気になる方はぜひチェックしてみてくださいね♪
店舗情報
Kad Kokoa(ガートココア)
営業時間 | 10:00-19:00 |
TEL | (+66)83-684-3921 |
住所 | Narathiwat Ratchanakarin Soi 17, Bangkok |
駐車場 | なし |
公式URL | Web Facebook Instagram |
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