こんにちは、バンコク在住のぴっぴです。
「バックパッカーの聖地」として有名なカオサン通り。
カオサンでは2020年1月より大規模改修工事がスタートしており、最近(2020年6月)その工事が完了したということで様子を見に行ってきました。
現在カオサンがどうなっているのか気になっていたのは私だけではないはず…。
外国からの観光客がメインで賑わっていた場所だから、コロナの影響下でどうなっているのか心配だなぁ…
今回は、大きく情景が様変わりしたカオサンの様子や、現地の人にインタビューした内容などをお伝えします。
昔の面影は失われつつありますが、アップデートした今後のカオサンにも期待をしたいところです。
改修工事が終わったカオサン通りの様子
カオサン通り大規模改修工事の目的は、この場所を『より清潔で安全に、国際的なウォーキングストリートにすること』だそうです。
工事が終わったカオサンは一体どのようになったのでしょうか。
車道と歩道が区分け・フラット化
こちらが工事完了した2020年6月現在のカオサンの様子です。
ステンレス製のポールにより車道と歩道がしっかり区分けされ、かつてあった段差がなくなりフラットになっています。
えぇ!!めちゃくちゃ綺麗になってる!
いやー、カオサンが大きく様変わりしていて驚きました。
現在はコロナの影響でほとんどの店がクローズしています。
歩道のスペースは割とゆったりめに確保されている印象です。
やっぱり全然人がいないね…。
2020年8月に完全営業再開予定
改修工事が完了したカオサンロードは、8月から全面的に営業を再開しリニューアルオープン予定とのことです。
カオサン通りと隣接する「ランブトリ通り」や「タニ通り」の改修工事も今後進められていくのだそう。
(参考:Khao San Road counts down to the return of good times)
時代とともに変わりゆくカオサン通り
そもそもカオサンってどんな場所なの?
カオサン通りは「バックパッカーの聖地」として有名で、たくさんの旅人に愛されてきた場所なんだ。
カオサンが「バックパッカーの聖地」と呼ばれるようになったわけ
カオサンとはタイ語で「精米」という意味で、1970年代まで周辺に米問屋が多かったことに由来しています。
そんなカオサンに活気が出始めたのは1980年代のこと。
安い宿泊施設を必要とする旅行者向けに、この通りの住人が空室を借し始めたのです。
これがカオサンの安宿ビジネスの始まりだったんですね。
その後カオサンは「バックパッカー街」として発展し、ヒッピー文化の発信地として世界的にその名が知られるようになりました。
安宿・旅行代理店・レストラン・バーなどもどんどん増えていきました。
2000年にはレオナルド・ディカプリオ主演の人気映画『ザ・ビーチ(The Beach)』でカオサンがロケ地となり、その知名度はさらに高まったんです。
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カオサンはやがて世界中のバックパッカーの旅の拠点・旅人同士の集いの場としての機能も果たすようになります。
まだネットが普及していない時代、カオサンで出会った旅人同士で情報交換をしたり、航空券を旅行代理店で購入したりしていました。
異国情緒あふれるカオサン通りの安宿に滞在しながら世界中の旅行者と交流し、ひしめきあう露店や屋台のローカルフードを楽しむ。
そんな過ごし方ができるカオサンはいつしか「バックパッカーの聖地」として、多くの旅人の憧れの地となっていったのです。
2011年のカオサンの様子
私もバックパッカーの聖地カオサンに憧れを抱いていた人間のひとりです。
人生初の海外ひとり旅で「ついにカオサンにこれたんだ…!」と強烈に興奮したことを思い出します。
私がカオサンを訪れたのは大学4年生の夏休み、2011年のことでした。
そのとき撮った写真がこちらです。
カオサン通りの全長はおよそ400メートル、道幅は20メートルほどで、歩行者天国のように人が縦横無尽に行き交っています。
カオサン通りって意外に短いんだね!
熱気と喧騒に満ちたカオサン通りには多国籍な旅行者が行き交っていて、ひとことでいうと、カオス。
「マダァーム~、コレヤスイヨ~」という怪しげな客引きの声がそこら中から聞こえ、安宿・旅行代理店・露店などがひしめきあっていました。
人生で初めて泊まった1泊300円の安宿はなかなか刺激的でした。
けして綺麗とはいえない男女混合のドミトリー。
隣の宿では「南京虫が発生した」と大騒ぎしていました。
カオサンで出会った旅人はいい意味で変人ばかり。
個性的豊かで刺激的な人との出会いに満ちていました。
私はひとり旅でしたが、宿やストリートで出会った人たちと語り合ったり、アユタヤに行ったり、夜の街を散策したり…
ほとんど1人ではありませんでした。
カオサンはまちがいなく旅人の出会いの場として機能していました。
旅人仲間と「激安で美味しい」と評判だった10バーツラーメンを毎日のように食べに出かけたり…
実はこのカオサンでの出会いが私を世界一周へと突き動かすことになるので、私にとって非常に思い入れがある場所になりました。
カオサンはぴっぴの人生に大きな影響を与えた場所なんだね。
(私が世界一周を決めた経緯について▼▼)
【改修前】2019年9月のカオサンの様子
私は2019年9月からタイに住み始めたのですが、引っ越してすぐカオサンへ8年ぶりの再訪をしました。
2011年当時泊まっていた安宿は姿を消し、激安10バーツラーメンのお店も無くなり、そのかわり洗練されたお洒落なレストランやバーが増えていました。
ネットの普及に伴い、旅行者たちはもうカオサンで航空券を買ったり旅人同士で情報共有をしたりする必要がなくなったんです。
カオサンはもはや「バックパッカーの聖地」ではなく「観光地の1つ」になったのだなぁ、と感じました。
それでも独特な混沌とした雰囲気は当時と変わらず、8年前と同様に露店でタイフードを食べたり、フルーツシェイクを飲んだり、マッサージをしたりして楽しみました。
カオサンで働く人に今回の「大規模改修」について聞いてみた
カオサンが大幅リノベーションされるという話は聞いていたので、カオサンで働いているタイ人に「今回の改修工事についてどう思っているのか」たずねてみました。
カフェ勤務のお兄さんは言いました。
改装工事は賛成だよ!
整備されて綺麗になったら快適になるし、商売もしやすくなるさ。
カオサンで19年働いているという客引きのおっちゃんは言いました。
カオサンが変わるのは嫌だね。
俺たちのビジネスに規制がかかると、これまでのように稼げなくなってしまう。
カオサンのなかでも色んな意見があるんだね…
リノベーションによりカオサン通りが綺麗になることについては肯定的な人が多かったです。
いっぽう規制が強化されて商売の邪魔になるのではという不安を抱いている人もいました。
【改修後】2020年6月、現地の人に心境を聞いてみた
賛否両論があるなか進められたカオサンの改修工事。
工事が完了したカオサンを訪れた私は、カオサンのなかで働く人たちに今の心境をたずねてみることにしました。
お土産店のお姉さんは言いました。
工事はしてよかったと思う。道が綺麗になったし嬉しいよ。
今はコロナの影響がきつい。
お客さんはほとんどいないし、営業時間が厳しくて今は朝9:30~18:00までしか営業できないの。
のどが渇いたなぁ~と思って立ち寄ったカオサン通りのレストラン「CHART BAR & RESTAURANT」。
およそ30年前にオープンしたお店なんだそうです。
パイナップルジュースを注文。
うん、うまい(*´ω`*)
現状の心境をきくと、お店のおばちゃんは言いました。
工事して綺麗になったのは良かったわ。
私たちはこの建物(カフェ)の2階で暮らしているし、カオサンが生活圏なのよ。
おじちゃんが言いました。
工事はしてよかったよ。前よりずっと快適だ。
私自身が気になっていたことにふれてみました。
第三者の勝手な意見であることは分かっているんですが…
私をふくめて「前のカオサンの雰囲気が好きだったのに」と複雑な気持ちになる人もいると思うんです。
おじちゃんはそれを聞いて「あぁ、その気持ちも理解できるよ」とうなずいていました。
おばちゃんがニコニコ笑顔で言いました。
観光客がいない今のうちに、この壁をぶち抜いてスペースを広くするの。
次回あなたがきたときには大変身してるから、楽しみにしててね!
大変な状況だけど、コロナに負けてないですね!
次回の訪問が今から楽しみです!
とっても素敵な出会いだったね~♪
変わり続けるから面白い
「いつまでも変わらないで」と思うのは旅人のエゴかも
今回の大規模改修工事は私にとってかなり衝撃的なニュースで、「昔の面影がなくなってしまって残念…」と正直とても寂しい気持ちでした。
私と同じような気持ちを抱く人は少なからずいらっしゃるのではないでしょうか…
しかしネットの普及に伴い「バックパッカーの聖地カオサン」はすでに終わりを迎えつつあります。
また、現地の人がより快適で清潔な商業圏・生活圏を求めるのはあたりまえのこと。
いつまでも昔のままのカオサンでいてほしい…そう願うのは旅行者のエゴかもしれないですね。
諸行無常、だね…
アップデートした今後のカオサンにも期待しよう
時代の移り変わりとともに、すべてのものは変化します。
過去を懐かしみ哀愁を感じるのもまた、旅の醍醐味。
アップデートした新しいカオサンを今後も見守っていきたいです!
8月から本格的にカオサンのお店が営業再開ということで楽しみに待ちたいと思います。
コロナ状況下で、日本を含む海外旅行客の受け入れがいつになるかが見通せない状況が続いています。
観光客需要で成り立っているカオサンに、少しでもはやくかつての活気と賑わいが戻ってくることを願ってます。
これからも応援していきたいね♪
カオサンの行き方【MRT+トゥクトゥクの場合】
最後にカオサンへの行き方についてご紹介します。
ここで紹介するのはMRT(地下鉄)+トゥクトゥクを利用した場合です。
まずMRTでカオサンから一番近いサナーム・チャイ駅(Sanam Chai)を目指します。
MRTのチケットはコイン型で可愛い。
サナーム・チャイ駅に着いたら、2番出口からカオサン通り方面に出ます。
そこからトゥクトゥクに乗って、約10分くらいでカオサンに着きます。
値段の相場は80~100バーツくらいです。
ぼったくろうとするドライバーもいるのでご注意ください
今回私は交渉なしで80バーツで行けました。
以上、2020年6月現在のカオサン通りのレポでした。
現在のカオサンが気になっている方にとって、なにか参考になれば嬉しいです!